許すこころ

許すこころ

「いいよ、いいよ!」「気にしなくていいから!」
とある学年の教室内。ある生徒が悲しそうな顔で「ごめんね」と発した直後に、目の前の生徒が笑顔を浮かべ自然に返した言葉です。
私はとても幸せな気分になれました。というのも、先日電車内で実にいやな気持になってしまう出来事に遭遇してしまったばかりだからです。

許すこころ
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電車のドア付近に立っていた男の人に対し、乗り込んできた男性が、「邪魔なんだよ!」「入口開けるのが礼儀だろ!」と怒鳴る。しばらくして、さらにその男性は別の乗客に、「リュック邪魔、リュックは体の前だろ!」「まったく、人に迷惑かけるなよ」とさらに大声で怒鳴りつける。
確かに言っていることは正しいと思われるが・・・、車内の雰囲気と周りの乗客の気持ちは急激に悪化してしまいました。

 

「他人に迷惑をかけちゃだめよ」日本ではよく聞かれる言葉です。きちんと礼儀をわきまえ、規律正しい社会生活が実現できているのも、小さい頃からこのようなしつけを受けているからかもしれません。社会全体がその規律を乱さないようにしようという空気を作り上げています。日本は治安が良いとされる所以かもしれません。
ただ時に、過剰に周囲の人にそのような態度や礼儀を求め、少しのブレに対しても許さないという気持ちになり、注意を越えて攻撃的になってしまう人も少なからず見受けられます。それが余裕のないピリピリした空気をつくってしまうことがあるようです。

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一方、インドでは次のように子供に教えるそうです。
「あなたは人に迷惑をかけて生きているのだから、人のことも許してあげなさい」と。
迷惑をかけながらでしか生きられない。人は失敗するものだから、許す心を持ちましょう。このように考えると、周りの人に対する考え方が変わるような気がします。プレッシャーも少ないように感じます。
確かに何事においても配慮を欠かさないことが日本の1つの美徳になっています。どちらの教えが正しいということはないと思います。何事もバランスが大切で、両者のいいとこ取りで、「周囲に気を配るとともに、『お互い様』の心で、人に感謝の気持ちをもてる」ようになりたいですね。

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生徒のすばらしい対応。優しくて思いやりがあり、失敗してしまった相手を許してあげられる気持ち。その場面を目にして、本当に幸せな気持ちになれました。

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