2018.11.26

飯舘村を訪れて

生徒会長の飯舘村訪問記

11月2日、校長先生とともに福島県相馬郡飯舘村に義援金をお渡しに行って参りました。ご存じのように飯舘村は、東日本大震災で大きな被害を受けました。また、原発事故の影響から避難指示を受けた地域であり、去年その指示が解除されたばかりです。大きな災害の被災地を訪問するのは初めてなので、とても緊張しました。
震災から7年目、しかし車で郡山から飯舘村に向かう道路の脇には、かつて農地であったであろう至る所に汚染土がつまった「フレコンバック」とよばれる袋が大量に積み上げられていました。また、田んぼの跡一面にソーラーパネルが置かれていたりもしました。実際の様子はニュースで見ているだけでは分からないことを思い知らされました。
村役場では、飯舘村村長の菅野典雄さんに飯舘村の現状、これからの復興計画などをうかがうことができました。現在の村民の皆さんの生活の改善だけでなく、未来の飯舘村の担い手である子どもたちのため、新しい学校を作る計画など、限られた時間と予算を最大限有効に使うために皆さんで知恵を絞っておられるそうです。
村長さんとのお話の中で「までい」という言葉を教えてくださいました。「両手で」ということで「丁寧に、心を込めて」「手間暇を惜しまず」といった意味だそうです。シンボルマークにも使われていて、村役場のポスターにも書かれていました。飯舘村を象徴する温かい言葉でした。復興の道のりはとても長く大変なものだと思います。それでも現在日本中から少しずつではありますが、飯舘村にスローライフを求めて移住してくる方が増えてきているそうです。「までい」の心がより多くの人に拡がり、美しい飯舘村はきっと復興を遂げると強く感じました。
今回、学校の代表として飯舘村に行って感じたこと、見たものを伝える義務が私にはあると思うので、この文章をはじめ、これから私の経験を発信していけたらと思います。

 

目黒学院高等学校 生徒会長

※注
目黒学院は、震災以前2010年より福島県飯舘村との相互友好を締結し教育分野での提携・協力を行っていた関係もあり、震災後は毎年校長と生徒会長が現地を訪れ梧林祭(文化祭)での募金・PTA・父母の会のご協力を頂きました義援金を直接お渡ししています。